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流木アートギャラリー森のもののけ 屋久島は、流木の自然素材を最大限生かし、流木のインテリア、流木のオブジェ、流木の花器、流木の鳥、流木で描く山水画などの流木アートを屋久島ならではのナチュラルアートとして発信。

電話でのお問い合わせはTEL.0997-47-3977

〒891ー4404 鹿児島県 熊毛郡屋久島町尾の間647−34


流木への思い

流木への思い


作者及び作品は、全て「流れ者」である。
屋久島の深い山々から長い年月を経てやっと海岸にたどり着く「流れ者」
生きている時は、屋久島特有の厳しさに耐え、朽ちはてては、川に流され
大小の岩にぶつかりながらも、やっと海に、 やっと、 たどり着く「流れ者」
いつも,何かを深く考えさせられる。
それは幹だったのかい?はたまた樹皮だったのかい?  判断しかねる時がある
君は東西南北どちらを向いて育ってたのかい?
君はどんなことに喜怒哀楽を感じて長い年月を生きつずけてきたんだい?
君たちは仲間と一緒に、何百、何千年も生き続けたんだよな
「人間は,たかだか100年前後だが君たちは凄いよな!!」
一番分からないのが君はなんと言う名前の樹木だったのかい
分らなくとも良い、分ろうとする自分を拒絶することもある
分らないことが多ければ多いほど想像する世界が広がり気持ちが高揚してくる。

人間の目には触れず海中深く沈む、奇々怪々な「流れ者」達。
遠く旅立つ「流れ者」達に、心を遊ばせると
波の音が森のざわめきに聞こえてくる。


朝日新聞 2006年04月01日

流木アートギャラリー「もっちょむ庭園」 金澤尚さん


 バクテリアの這(は)った跡が、幾何学模様の線を描く。堅い木にドリルでくりぬいたように開けられた穴は、フナムシの食痕だ。
 屋久島の海岸に打ち上げられる流木たち。95年に横浜市から島に移り住んで以来、川を流れ、海で洗われた木々の様々な表情に魅せられ、そこに新たな命を吹き込む営みを続けている。
 島南端にそそり立つモッチョム岳(940メートル)を眼前に眺める場所に開いたのが、流木アートギャラリー「もっちょむ庭園」だ。恐竜映画に出てきそうな怪鳥や妖精か珍獣、あるいは人間の姿にも見える不思議な大小の造形物が空間を埋める。 作業場は台風の後に拾い集めた何万個という流木であふれる。樹齢千年を超す屋久杉が交じっているかもしれない。形で面、目、足などパーツに分け、真水で塩抜きして、タワシがけでつやを出す。化学塗料は使わない。完成した作は海辺や森に運び出し、写真に収めるのも楽しみのひとつだ。
 ギャラリーを訪れ、「静まり返った夜中に何かが始まりそうな世界」と評した客の言葉がうれしかった。「それぞれ好きなように想像してもらっていいんですよ。どんな年月を経て、こんな形になったのだろうと」
 しかし、アートだけでは暮らせない。移住の際に妻と一緒に来た次女は今春、大学進学が決まった。家族のために流木で時計や写真立て、キーホルダーなど加工品を作る機会も増えた。
 プロのジャズマンを目指していた。中学1年で初めて手にしたトランペットに熱中し、卒業後に故郷・秋田市から上京。高校を中退し18歳でプロのジャズオーケストラに入り、その後も20〜30のバンドで演奏を続け、日本を代表する渡辺貞夫や山下洋輔らとセッションしたこともある。
 渡米して数カ月間、本場のジャズを吸収、修業も積んだ。しかし、上には上がいた。超一流でなければ成功はないと、30歳で見切りをつけ、横浜で小さな花屋を開いた。ありのままの自然へのあこがれが募り、93年に世界自然遺産登録された屋久島行きを決意した。 台風と多雨、「洋上のアルプス」と呼ばれる山々、急傾斜を下る水の流れ、花崗岩(か・こう・がん)の大地に根をはる植物……。この島の自然の苛烈(かれつ)さが、流木に投影されていると思えた。
 移住して10年余り。自らの人生と重ね合わせた「流れ者(流木)」に今、音楽で果たせなかった夢を託す。「持続可能な社会って何だろう」――。最近は平和や環境問題を「流れ者」で表現できないかと、思索を巡らせている。
   (文と写真・北沢祐生)

プロフィール

プロフィール

1952年 秋田市生まれ。美術品修復師の家庭で育つ
      プロのトランペットミュージシャンを目指し上京
      様々なバンドを経ながら、渡辺貞夫、向井滋春、渡辺香津美、山下洋輔トリオなどともセッションする。
      (国外ミュージシャンでは、サミーデービス.JR、クール&ギャング、アートブレーキ 他)
1977年 渡米し、ボビーブライアント、クラウドゴードン、から師事を受ける
      帰国後、フリーとなり、引き続きテレビ、スタジオ、ステージで活動する。

1982年 生花店経営を目指す。
      横浜の私鉄沿線駅前にて「フローリスト花咲」を開業する。
      フラワーデザイン、生け花などを学びながら日本文化に興味を持つ。

1995年 屋久島に移住する。
       移住直後、屋久島の自然を全て凝縮した流木と出会い一生のテーマが決まる。

1996年 流木アートギャラリーもっちょむ庭園開業。2013年 流木アートギャラリー森のもののけに改名 

2003年 ナガレモノ展(海と陸との境界線での対話) 屋久島環境文化村センター

2004年 NHKTV かごしま熱風録に出演

2006年 BS−i   i-style 屋久島に出演

2006年 FM福岡 匠の蔵に出演

2009年 NHKデジタルスタジアム#357 真島理一郎セレクション(SAVE THE FUTURE)
      アニメーション部門にて入選、出演

2013年 (株)霧島酒造企画室、応接間壁面(15m×4m)制作

2015年  テレビ西日本「美の鼓動」10/4(日)に出演。

2019年  東京代官山、アートフロントギャラリーの依頼により「ANAインターコンチネンタル別府
       リゾート&スパ」様に作品7点納品、展示

2020年  屋久島に移住して25年目
       
自然と人々の関わり方をテーマにした流木作品を制作したいと思っています