電話でのお問い合わせはTEL.0997-47-3977
〒891ー4404 鹿児島県 熊毛郡屋久島町尾の間647−34
屋久島の深い山々から長い年月を経てやっと海岸にたどり着く流木に戯れ約20年、やっと流木の奥深さが分かってきた今日この頃です。
かつて日本の森は様々な樹種によって構成されていましたが種類が単一化され、特に都市部周辺では美味しい水を作る土壌構成が失われつつあります。
美味しい水を作り出してくれる森の復活を願い全ての作品に屋久島の流木を使っています。
世界自然遺産、屋久島ならではの貴重な流木を使い「今までにないものを創造する」をテーマに考えてきました。
今では遠ざかりつつある自然と人々との関わりを身近にと願う気持ちをも含んでいます。
太古の森で命が絶えてからどのくらいたっているのだろうか。
屋久島は周囲約110kmの島です。
山のてっぺんに降った大雨はおそらく1時間もしないうちに海に辿り着きます。
小雨などは支流を伝わりながらゆっくりとした流れで海に辿り着くと思います。
「行く先を海と定めし滴かな」という名句がありましたね!
流木はどうでしょう?
何百年、何千年も生き、朽ちて倒木となりそこで何百年、何千年も土砂に埋もれ、大雨で流され海に辿り着き、重みで海底に沈み荒波で浜に打ち寄せられる。
流木の場合はとてつもない時間の経過があると思います。
檜の古木で年輪が密で釘も刺さらないとても重い流木を持っていますが、縄文杉よりはるかに古いのではないかと思っています。
流木となる前までは全ての樹は森の中で根や枝を張り、 葉を太陽に向け生きていた。
樹にとっては枝に付いた厄介な虫を食べてくれる鳥はありがたい。
鳥は樹に巣を作り森を賑やかにしてくれる。
ご褒美に木の実をあげると遠くに種を運んで子孫を増やしてくれる。
鳥は樹のてっぺんに止まり風を見計らって遠くに旅立つ。
旅の途中、大海原で漂う流木に身を委ね暫し疲れを癒す。
そしてたくさんのお土産話をもってまた森に戻ってきてくれる。 鳥は樹と、とても深い関係にある。
樹は根こそぎ流され他の場所に移動しない限りそこの場所で一生過ごす。
しかし鳥は一か所に留まらず、樹間を自由に飛び交い大空を舞う。 鳥は樹と、とても深い関係にありながら行動は全く違う。
樹は鳥に場所を提供しながらいずれは鳥に生まれ変わりたいと 思っていたに違いない。
樹が、樹としての壽命をまっとうした後、泥に塗れ水の中を彷徨いながら あっちこっちにぶつかりながら折れ、削られ、樹自身が 鳥の形になるように見立てているのではないだろうか。
ナチュラルアーチスト 金澤 尚
〒891ー4404
鹿児島県 熊毛郡屋久島町尾の間647−34
TEL.TEL.0997-47-3977
FAX.TEL.0997-47-3977